Eventbriteの手数料は本当に高い?【2026年版】料金の実態と無料の代替ツール
2,000円のイベントチケット。参加者が実際に払うのは2,350円。この差額350円、どこに消えているか知っていますか?
答えはプラットフォーム手数料です。Eventbriteをはじめとするチケット販売プラットフォームでは、チケット1枚ごとに手数料が発生します。小規模なイベントなら「数百円だし」と思うかもしれません。しかし、100枚売れば35,000円。年間10回イベントを開催すれば35万円です。
この記事では、Eventbriteの手数料体系を具体的な数字で解剖し、Peatixやconnpassなど日本国内のプラットフォームとの比較、そして手数料ゼロで運営できる代替手段まで、イベント主催者が知っておくべき情報を網羅します。
Eventbriteの手数料体系を正確に理解する
Eventbriteの料金体系は一見シンプルですが、実際に計算してみると想像以上にインパクトがあります。
2026年現在、Eventbriteの基本手数料は**チケット1枚あたり3.7% + $1.79(約270円)**です。これに加えて、決済処理手数料が別途かかる場合もあります。
チケット価格別の手数料シミュレーション
実際にチケット価格ごとに手数料がどれだけかかるかを見てみましょう。($1 = 約150円で換算)
| チケット価格 | Eventbrite手数料 | 手数料率(実質) | 参加者の実負担 | |-------------|-----------------|-----------------|---------------| | ¥1,000 | ¥307 | 30.7% | ¥1,307 | | ¥2,000 | ¥344 | 17.2% | ¥2,344 | | ¥3,000 | ¥381 | 12.7% | ¥3,381 | | ¥5,000 | ¥455 | 9.1% | ¥5,455 | | ¥10,000 | ¥640 | 6.4% | ¥10,640 | | ¥20,000 | ¥1,010 | 5.1% | ¥21,010 |
ここで注目すべきは、低価格チケットほど手数料率が重くなるという構造です。1,000円のチケットでは実質30%以上が手数料に消えます。勉強会やコミュニティイベントでよくある1,000〜3,000円帯のチケットは、まさに手数料の影響を最も受ける価格帯です。
100枚販売した場合の総コスト
| チケット価格 | 100枚の売上 | 手数料合計 | 手元に残る金額 | |-------------|-----------|-----------|-------------| | ¥1,000 | ¥100,000 | ¥30,700 | ¥69,300 | | ¥2,000 | ¥200,000 | ¥34,400 | ¥165,600 | | ¥3,000 | ¥300,000 | ¥38,100 | ¥261,900 | | ¥5,000 | ¥500,000 | ¥45,500 | ¥454,500 |
1,000円のチケットを100枚売って、手元に残るのは約7万円。3万円以上がプラットフォームに吸い取られている計算です。
Peatixとの手数料比較
日本国内でEventbriteの代替としてよく名前が挙がるのが**Peatix(ピーティックス)**です。日本語対応が強く、国内のイベント主催者に広く使われています。
Peatixの手数料は有料チケット1枚あたり4.9% + ¥99です。
| チケット価格 | Eventbrite手数料 | Peatix手数料 | 差額 | |-------------|-----------------|-------------|------| | ¥1,000 | ¥307 | ¥148 | Peatixが¥159安い | | ¥2,000 | ¥344 | ¥197 | Peatixが¥147安い | | ¥3,000 | ¥381 | ¥246 | Peatixが¥135安い | | ¥5,000 | ¥455 | ¥344 | Peatixが¥111安い | | ¥10,000 | ¥640 | ¥589 | Peatixが¥51安い | | ¥20,000 | ¥1,010 | ¥1,079 | Eventbriteが¥69安い |
面白いことに、2万円を超えるような高額チケットではEventbriteの方がわずかに安くなります。しかし、日本国内の多くのイベント(勉強会、ワークショップ、セミナー)は1,000〜5,000円帯が中心です。この価格帯では一貫してPeatixの方がコストを抑えられます。
100枚販売時の比較
| チケット価格 | Eventbrite手数料合計 | Peatix手数料合計 | 年間(月1回開催)の差 | |-------------|-------------------|-----------------|-------------------| | ¥2,000 | ¥34,400 | ¥19,700 | ¥176,400 | | ¥3,000 | ¥38,100 | ¥24,600 | ¥162,000 | | ¥5,000 | ¥45,500 | ¥34,400 | ¥133,200 |
2,000円のチケットを月1回・100枚ずつ販売する場合、Peatixに切り替えるだけで年間約17万円の節約になります。この金額は登壇者への謝礼や会場費に回せる実質的なコスト削減です。
見えにくいコスト:手数料だけでは語れない
プラットフォームの真のコストは、チケット手数料だけでは測れません。以下の「隠れコスト」も考慮すべきです。
振込タイミング
- Eventbrite: イベント終了後5〜7営業日で振込。大型イベントでは事前支出が先行するため、キャッシュフローに影響する
- Peatix: イベント終了後、最短で翌月末振込。さらに遅い場合もある
どちらのプラットフォームも、イベント前に売上を受け取ることはできません。会場費や備品の立替が必要になるケースでは、この「タイムラグ」が資金繰りの負担になります。
返金手数料
参加者都合のキャンセルが発生した場合、返金処理の手数料がどう扱われるかも重要です。
- Eventbrite: 返金時にプラットフォーム手数料は返金されない(主催者が負担)
- Peatix: 返金ポリシーは主催者が設定可能だが、決済手数料の扱いに注意が必要
キャンセル率が10%を超えるイベントでは、返金に伴うコストがバカにならない金額になります。
機能制限と有料オプション
Eventbriteの無料プラン(Essentialsプラン)では、以下の機能に制限があります。
- カスタムブランディングは有料プラン以上
- 詳細なレポート・分析機能は有料プラン以上
- 広告クレジットや優先サポートはProfessionalプラン以上
「手数料だけ見て選んだのに、結局有料プランにアップグレードした」という声は少なくありません。
Eventbriteが適しているケース
ここまで手数料の高さを指摘してきましたが、Eventbriteにも明確な強みがあります。以下のケースでは、手数料を払ってでもEventbriteを使う価値があります。
大規模なチケット制イベント(300人以上)
Eventbriteの真骨頂は大規模イベントの運営です。チェックイン用のモバイルアプリ、QRコードによる入場管理、リアルタイムの販売ダッシュボードなど、数百〜数千人規模のイベントを効率的に回すための機能が揃っています。
海外からの集客があるイベント
Eventbriteは世界最大級のイベントプラットフォームであり、海外からの参加者にとって最も馴染みのあるサービスです。国際カンファレンスやグローバルなミートアップでは、参加者の安心感につながります。
Eventbriteマーケットプレイスからの集客が見込める場合
Eventbriteには独自のイベント検索・発見機能があり、プラットフォーム上でイベントを探しているユーザーにリーチできます。自前の集客チャネルが弱い場合、この露出は手数料以上のリターンを生むことがあります。
Eventbriteが過剰なケース
逆に、以下のケースではEventbriteは明らかにオーバースペック(あるいはコスパが悪い)です。
無料イベント
Eventbriteは無料イベントに対して手数料を取りませんが、それでも以下のデメリットがあります。
- セットアップに15〜30分かかる(シンプルなイベントでも項目が多い)
- 「Eventbrite」のブランドが前面に出る
- カレンダー連携が限定的(ワンクリックで主要カレンダーに追加できない)
- 参加者にEventbriteアカウントの作成を求められる場合がある
無料イベントに無料のプラットフォームを使うのは理にかなっています。しかし、Eventbriteは「無料イベント向けに設計されたツール」ではありません。
小規模コミュニティイベント(30人以下)
月1回の勉強会や読書会に、Eventbriteの管理画面を開くたびに感じる「大げさ感」。レポート機能やマーケティングツールなど、使わない機能が並ぶダッシュボードは、小規模イベントの主催者にとってはノイズでしかありません。
カレンダー登録を重視するイベント
オンラインイベントやウェビナーでは、「参加者がカレンダーに登録してくれるかどうか」が参加率を大きく左右します。Eventbriteのカレンダー追加機能は基本的なもので、ワンクリックで複数のカレンダーサービスに対応する仕組みは弱いのが現状です。
無料の代替ツール:目的別ガイド
「チケット販売が不要なら、そもそも手数料を払う必要がない」——この発想の転換が、多くのイベント主催者のコストを劇的に下げています。
Calen — 無料イベント+カレンダー連携に最適
Calenは、イベントページの作成からカレンダー連携、参加者管理まで、すべて無料で無制限に使えるプラットフォームです。
Calenが特に強い場面:
- 無料イベント(勉強会、ワークショップ、コミュニティミートアップ)
- カレンダー登録率を上げて参加率を改善したいケース
- セットアップ時間を最小限にしたい(約3分で完了)
- OGP画像の自動生成でSNSシェアの見栄えを良くしたい
対応カレンダー: Google、Apple、Outlook、Yahoo、Office 365
フォロワー(購読)機能も搭載しており、一度フォローした参加者に新しいイベントを自動で通知できます。定期的にイベントを開催するコミュニティにとっては、回を重ねるごとに参加者基盤が育っていく仕組みです。
チケット販売機能はありませんが、無料イベントの運営に特化しているからこそ、余計な複雑さがありません。無料のカレンダーリンクジェネレーターだけでも試す価値があります。
connpass — テック系コミュニティの定番
connpassは日本のエンジニア・テック系コミュニティで圧倒的なシェアを持つプラットフォームです。
メリット:
- 完全無料(手数料なし)
- エンジニア・テック系の参加者が多く集まっている
- グループ管理・メンバー通知機能あり
- 技術勉強会やハッカソンの運営に最適化された設計
デメリット:
- テック系以外のイベントには向かない(参加者層が偏る)
- デザインのカスタマイズ性が低い
- カレンダー連携は基本的
- チケット販売機能は限定的
- 管理画面のUIがやや古い
テック勉強会やLT会を開催するなら、connpassの集客力は無視できません。「参加者がconnpassでイベントを探している」という導線がすでに確立されているため、ゼロから集客する手間が省けます。
Peatix — 日本語対応が強い有料チケットプラットフォーム
Peatixは手数料が発生するものの、日本市場に最も最適化されたチケット販売プラットフォームです。
メリット:
- 日本語の管理画面・サポートが充実
- 日本国内での知名度が高く、参加者の信頼感がある
- 銀行振込にも対応
- イベント発見機能で集客支援
- スマホアプリでのチェックインに対応
デメリット:
- 有料チケットに4.9% + ¥99/枚の手数料
- 振込タイミングが遅い場合がある
- 無料プランでも機能制限がある
Eventbriteとの使い分け: 日本国内のイベントで有料チケットを販売するなら、多くの場合Peatixの方がコストパフォーマンスに優れています。海外からの参加者が多い場合や超大規模イベントの場合のみ、Eventbriteを検討する価値があります。
目的別プラットフォーム早見表
| あなたの状況 | おすすめ | 理由 | |-------------|---------|------| | 無料イベントを定期開催 | Calen | 無制限無料、カレンダー連携が強い | | テック勉強会・LT会 | connpass | テック系参加者の集客力 | | 有料イベント(日本国内) | Peatix | Eventbriteより手数料が安い | | 有料イベント(国際) | Eventbrite | 海外参加者の認知度 | | 300人以上の大規模 | Eventbrite | 入場管理・運営ツール | | オンラインイベント | Calen | カレンダー登録で参加率UP | | カレンダー連携を重視 | Calen | 全主要カレンダー対応 |
そもそもチケット販売プラットフォームが必要?
ここで一歩引いて考えてみましょう。
多くのイベント主催者が「イベントを開催する=チケット販売プラットフォームが必要」と無意識に等式を作っています。しかし、実際のイベントの多くはチケット販売を必要としていません。
- 社内勉強会 → チケット不要
- コミュニティのミートアップ → チケット不要(参加登録は必要)
- オンラインウェビナー → チケット不要
- 無料のワークショップ → チケット不要
- 読書会・もくもく会 → チケット不要
チケット販売が不要なのに、チケット販売プラットフォームを使っている。これは「通勤に大型トラックを使っている」のと同じです。機能的には移動できますが、無駄が多すぎます。
本当に必要なのは何か? 多くのイベント主催者が実際に必要としているのは、以下の3つだけです。
- イベント情報を伝える場所(イベントページ)
- 参加者のカレンダーに登録してもらう仕組み(カレンダー連携)
- 誰が来るか把握する手段(参加登録・RSVP)
この3つであれば、手数料ゼロで実現できます。Calenなら3分でイベントページを作成し、ワンクリックのカレンダー登録と参加者管理がすべて無料で利用可能です。
チケット販売が本当に必要なら、Peatixの方がEventbriteより手数料を抑えられます。しかし、まず「本当にチケット販売が必要か?」を自問してみてください。参加費を徴収する手段は、銀行振込やPayPayなど、プラットフォーム手数料を回避する方法もあります。
まとめ:手数料から自由になる
Eventbriteの手数料は、大規模な有料イベントでは合理的なコストです。充実した運営ツールと集客力を考えれば、手数料分のリターンは得られるでしょう。
しかし、多くの日本国内のイベント主催者にとって、Eventbriteは「高すぎる」というより「必要以上に高機能で、そのコストを払う必要がない」のが実態です。
アクションプラン:
- 自分のイベントにチケット販売が本当に必要か確認する
- 不要なら、Calenやカレンダーリンクジェネレーターで手数料ゼロの運営を始める
- 有料チケットが必要なら、Peatixの手数料と比較してから決める
- 大規模・国際イベントの場合のみ、Eventbriteを本格的に検討する
手数料に年間数十万円を払う前に、「そもそもこのコストは必要か?」を問い直してみてください。答えが「No」なら、今日から無料で始められる選択肢がすでにあります。
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